
はじめに:理想と現実の狭間で揺れる新米パパの日常
皆さん、こんにちは! 生後114日の娘と愛する妻との3人暮らし。育児と仕事の両立に奮闘中の新米パパ、シードです。
娘の小さな寝息、ふとした瞬間に見せる天使のような笑顔、日に日に力強くなる手足の動き。その一つひとつが、私にとって何物にも代えがたい宝物であり、仕事の大きなモチベーションになっています。
しかし、そんな愛おしい日常とは裏腹に、仕事の世界は容赦なく私に現実を突きつけてきます。育休から復帰し、新しい環境で走り出したものの、なかなか思うようにいかない日々。特に今日は、仕事の厳しさと自分自身の未熟さを、これでもかというほど痛感させられた一日でした。
今日のブログでは、私が直面した「会議地獄」と「痛恨の業務ミス」、そして上司からの厳しい叱責を通じて学んだ、仕事における目的意識の重要性と、困難に立ち向かうための「折れない心」について、赤裸々に綴っていきたいと思います。
同じように育児と仕事の両立に悩むパパさん・ママさん、そして仕事で壁にぶつかっているすべての方に、少しでも共感し、何かを考えるきっかけにしていただけたら幸いです。
第1章:鳴り止まない通知音。会議に飲み込まれた一日
今日の私のスケジュール帳は、朝から夕方までびっしりと「打ち合わせ」の文字で埋め尽くされていました。一つ終わればまた次、というように、まるでベルトコンベアに乗せられたかのように、次々と会議室(あるいはオンラインミーティングのルーム)を渡り歩く一日。
私と同じような経験をされている方も多いのではないでしょうか。特に、複数のプロジェクトに関わっていると、どうしても会議の数は増えがちです。しかし、問題は会議そのものではなく、その「質」と「自分の関わり方」にあるのだと、今日改めて感じさせられました。
「内職」ができない不器用さと、生産性への疑問
私は昔から、会議中に別の作業をする、いわゆる「内職」がどうにも苦手なタイプです。器用な人なら、会議の内容を耳で追いながら、メールを返したり資料を作成したりできるのかもしれません。しかし、私は一つのことに集中しないと頭が働かない不器用な人間。結果として、会議の時間は完全に拘束され、自分の本来の業務、つまり手を動かして何かを生み出すための時間は、ほとんどゼロになってしまいました。
特に悩ましいのが、自分が「サブ的ポジション」で参加する会議です。メインの担当者ではなく、情報共有や念のための確認のために呼ばれる会議。もちろん、プロジェクト全体を把握するためには重要な時間ですが、発言の機会もほとんどなく、ただ座って話を聞いているだけの時間が続くと、「この時間で、あの設計を進められたのに…」という焦燥感ばかりが募っていきます。
自分はサブ的なポジションで参加する打合せをいかに減らせるかが、今後の生産性を上げる鍵なのではないか?そんなことを、ぼんやりと考えていました。
【雑学コラム①】会議の生産性を上げるヒント「2枚のピザルール」
世界的な大企業であるAmazonには、「2枚のピザルール」という有名な会議哲学があります。これは、「会議の参加人数は、2枚のピザで全員がお腹を満たせるくらいの人数(おおよそ6〜8人)に収めるべきだ」という考え方です。
人数が増えれば増えるほど、一人ひとりの当事者意識は薄れ、意思決定のスピードは鈍化します。発言しない人が増え、会議は「報告会」になりがちです。少人数に絞ることで、活発な議論が生まれ、迅速かつ質の高い意思決定が可能になるのです。
また、生産性の高い会議には、いくつかの共通点があります。
- 明確なアジェンダ(議題)とゴールの事前共有:何について話し、何を決めるのかが明確であること。
- 参加者の厳選:その意思決定に本当に必要な人だけが参加していること。
- タイムキーパーの存在:時間を意識し、脱線を防ぐ役割の人がいること。
- 明確なファシリテーター(進行役):議論を活性化させ、ゴールに導く進行役がいること。
- 決定事項と次のアクションの確認:会議の最後に「何が決まり、誰がいつまでに何をするのか」を全員で確認すること。
もし、自分が参加する意義に疑問を感じる会議があれば、「この会議のゴールは何ですか?」「私が貢献できることは何でしょうか?」と、勇気を出して主催者に確認してみるのも一つの手かもしれません。あるいは、会議後に議事録で内容をキャッチアップする方法もあります。限られた時間を有効に使うために、私たち一人ひとりが「会議のあり方」を意識することが重要です。
第2章:自信からの転落。想定外の事態に凍りついた瞬間
会議漬けの一日も終わりに近づいた頃、今日のメインイベントとも言える、重要な打ち合わせが始まりました。それは、出図(設計図面を正式に発行すること)を前に、自分たちが設計したハードウェアが、要求仕様をすべて満たしているか、ヌケモレがないかを他部署と最終確認する「要求仕様書読み合わせ」です。
これまでの経験から、仕様書の読み合わせには慣れているつもりでした。事前に資料を読み込み、「よし、これで完璧だ」と、ある程度の自信を持って臨みました。しかし、その自信は、会議が始まってすぐに木っ端微塵に打ち砕かれることになります。
突如現れた「未知の仕様書ツリー」
打ち合わせが始まり、私たちが準備した仕様書について説明を進めていた時のこと。他部署の担当者から、穏やかながらも鋭い一言が投げかけられました。
「シードさん、ありがとうございます。ところで、この仕様のさらに上位にある、こちらの仕様書ツリーは確認されていますか?」
そう言って画面に映し出されたのは、私が見たこともない、複雑に枝分かれした仕様書の関連図でした。まるで、自分がずっと探索していた地図が、実は巨大な大陸のほんの一部に過ぎなかったことを知らされたような衝撃。頭が真っ白になり、冷や汗が背中を伝うのが分かりました。
「…いえ、申し訳ありません。そちらは把握しておりませんでした」
声を絞り出すのがやっとでした。完全にパニックです。私たちが拠り所にしていた仕様書が、さらに大きな枠組みの中に存在していたこと、そしてその全体像を全く理解していなかったという事実。設計者として、あまりにも恥ずかしく、根本的な確認不足を露呈してしまいました。
結局、その日の打ち合わせは、その未知の仕様書ツリーの構造を理解するだけでタイムオーバー。本来の目的である「ヌケモレの確認」には一切たどり着けず、「仕切り直し」という、最も避けたかった結果に終わってしまったのです。
【雑学コラム②】なぜ「思い込み」は起きるのか?ヒューマンエラーとスイスチーズモデル
今回の私の失敗は、典型的なヒューマンエラーと言えます。なぜ、このようなことが起きてしまうのでしょうか。心理学では、人間が物事を判断する際に、無意識のうちに働く脳のクセ「認知バイアス」がエラーの原因になると言われています。
- 確証バイアス:自分の仮説や信念を支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視してしまう傾向。今回で言えば、「自分が知っている仕様書が全てだ」と思い込み、それ以外の可能性を探ろうとしなかったことが当てはまります。
- 正常性バイアス:多少の異常なことが起きても、「きっと大丈夫だろう」と事態を過小評価してしまう心理。
また、大きな事故や失敗の原因を分析する際に用いられる「スイスチーズモデル」という考え方があります。これは、組織における防御策(ルール、チェック体制など)を「穴の開いたスイスチーズ」に例えるものです。
通常、一枚のチーズの穴は、次のチーズが防いでくれます。しかし、複数のチーズの穴が偶然一直線に並んでしまった時、危険(リスク)がその穴を通り抜け、事故や失敗が発生するというモデルです。
今回の私のケースに当てはめてみると、
- チーズ①(情報収集の穴):関連部署への事前のヒアリングが不足していた。
- チーズ②(知識・経験の穴):新しい製品担当になったばかりで、全体像を把握できていなかった。
- チーズ③(スケジュール管理の穴):他の業務を優先し、この確認作業を後回しにしていた。
- チーズ④(思い込みの穴):「自分の知っている範囲で万全だ」という過信があった。
これらの小さな「穴」が重なった結果、「仕様書ツリーの見落とし」という大きな失敗につながってしまったのです。失敗を防ぐためには、一つのチェック体制に頼るのではなく、多層的な防御策を講じることが重要だと、このモデルは教えてくれます。
第3章:「目的を果たせていない」上司の言葉が胸に突き刺さる
打ち合わせ後、私は意気消沈しながらも、上司への報告に向かいました。 もともと、この読み合わせは図面の出図までにやり切る計画でした。しかし、他の業務が立て込んでいたこともあり、「まあ、多少遅れても何とかなるだろう」と、自分で勝手に優先順位を下げ、後回しにしてしまっていたのです。
その結果が、このザマでした。
「すみません、本日の読み合わせですが、こちらの認識不足で…仕切り直しになってしまいました。出図までには間に合いませんでしたが、来月には必ずキャッチアップします」
正直に状況を報告し、「来月頑張ります」と言えば、理解してもらえるだろう。そんな甘い考えが、私の心のどこかにありました。しかし、上司から返ってきたのは、想像以上に厳しい言葉でした。
「それはダメだ。目的を果たせていない」
その一言は、まるで鋭い槍のように私の胸に突き刺さりました。続けて、上司は静かに、しかし力強く諭すように言いました。
「君の目的は何だった?『読み合わせをすること』が目的なのか?違うだろう。『出図までに、設計のヌケモレがないことを保証する』、それが目的だったはずだ。その目的が果たせていないのに、『来月やります』では話にならない。なぜ、もっと早く手を打たなかったんだ」
返す言葉もありませんでした。まさに、ごもっともです。 私は、「読み合わせをする」というタスク(作業)をこなすことばかりに気を取られ、その先にある「何のためにそれをやるのか」という本質的な目的を見失っていました。
【雑学コラム③】仕事の質を劇的に変える「目的」と「目標」の違い
上司の指摘は、ビジネスにおける極めて重要な概念、「目的」と「目標」の違いを浮き彫りにします。
- 目的(Purpose/Why):最終的に達成したい状態や、その活動の根本的な理由。「なぜ、それを行うのか?」という問いへの答え。
- 目標(Goal/What):目的を達成するための中間的な指標や具体的なターゲット。「何を、いつまでに達成するのか?」という問いへの答え。
今回の私の例で言えば、
- 目的:品質の高い製品を顧客に届けるため、「出図までに設計のヌケモレがない状態」を作り上げること。
- 目標:「要求仕様書の読み合わせ」を完了させること。
私は「目標」である読み合わせを行うこと自体がゴールだと錯覚してしまっていました。しかし、本来それは「目的」を達成するための数ある手段(タスク)の一つに過ぎません。たとえ読み合わせが終わったとしても、ヌケモレが見つかれば、目的は達成できていないのです。
仕事を進める上で、「これは何のためにやっているんだっけ?」と常に自問自答し、目的に立ち返るクセをつけることが非常に重要です。目的が明確であれば、目標達成へのアプローチも変わってきます。「読み合わせ」という手段に固執せず、「ヌケモレをなくす」という目的のために、もっと早い段階で他部署に相談したり、有識者にレビューを依頼したりと、別の最適な手段を講じることができたかもしれません。
最終章:失敗から立ち上がるために。今日から始める「折れない心」の作り方
上司の部屋を出た後、私は自分のデスクでしばらく呆然としていました。悔しさと情けなさで、胸が張り裂けそうでした。娘の可愛い笑顔が脳裏をよぎり、「こんなことでへこたれている場合じゃない」と自分を奮い立たせます。
「折れない心で打合せのリベンジを設定して、何が何でもやり切るべきだったなぁ」
後悔しても時間は戻りません。重要なのは、この大失敗から何を学び、次どう行動するかです。私はすぐに気持ちを切り替え、関係部署に謝罪の連絡を入れ、最短での再打ち合わせの日程調整を依頼しました。そして、次こそは完璧な準備で臨むことを心に誓いました。
今日の経験は、私に仕事の厳しさを教えると同時に、失敗から立ち直る力、いわゆる「レジリエンス」の重要性を教えてくれました。
【雑学コラム④】逆境を力に変える「レジリエンス(精神的回復力)」の高め方
レジリエンスとは、ストレスや逆境、困難な状況に直面した時に、そこから立ち直り、適応していく力のことです。日本語では「精神的回復力」「再起力」などと訳されます。
レジリエンスは、生まれ持った才能ではなく、トレーニングによって誰もが高めることができるスキルだと言われています。レジリエンスを高めるためには、以下のような要素が重要です。
- 自己認識:自分の感情や強み・弱みを客観的に理解する。
- 感情のコントロール:衝動的な感情に流されず、冷静に対処する。
- 楽観性:物事の良い側面に目を向け、「何とかなる」と前向きに考える。
- 原因分析力:失敗の原因を他責にせず、客観的に分析し、次への教訓とする。
- 柔軟な思考:一つの考えに固執せず、多角的な視点で物事を捉える。
- 良好な人間関係:困った時に相談できる家族、友人、同僚の存在。
今回の私が、落ち込んだままで終わらずに「すぐにリベンジを設定する」という次の行動に移せたのは、上司の厳しいながらも的確なフィードバックや、家に帰れば待っていてくれる妻と娘の存在という「良好な人間関係」に支えられていたからかもしれません。
育児は、まさにレジリエンスを鍛える絶好の機会です。赤ちゃんの予測不能な行動、夜泣きによる睡眠不足、思い通りにいかない毎日は、まさに逆境の連続。しかし、それを乗り越えるたびに、私たちの心は少しずつ強く、しなやかになっていくのではないでしょうか。
まとめ:今日の失敗を、明日の糧に
今日は、新米パパとして、そして一人の社会人として、本当に多くのことを学んだ一日でした。会議に追われて自分の仕事が進まない焦り。準備不足が招いた痛恨のミスと、それに伴う周囲への迷惑。そして、目的意識の欠如を厳しく指摘されたこと。
正直、心が折れそうになる瞬間も多々ありました。しかし、この失敗と悔しさは、決して無駄ではありません。なぜなら、それは私が成長するために必要な、神様が与えてくれた試練なのだと信じたいからです。
このブログを読んでくださっているあなたも、きっと今、何かの壁にぶつかっているかもしれません。でも、大丈夫です。失敗は、そこから何かを学び取り、次の一歩を踏み出す限り、「成功へのプロセス」に変わります。
家に帰り、妻の「お疲れ様」という優しい声に迎えられ、娘の無垢な寝顔を見たとき、今日一日の疲れと悔しさがすーっと溶けていくのを感じました。
この子のためにも、もっと強く、もっと頼れる父親に、そしてビジネスパーソンにならなければ。
今日の失敗を胸に刻み、明日からまた、私は前を向いて歩き出します。


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