コンデンサとは?
コンデンサは、電気エネルギーを一時的に蓄えることができる電子部品です。電気回路において、電荷を蓄えたり放出したりする役割を果たします。コンデンサは、さまざまな形状やサイズがあり、用途に応じて選ばれます。
コンデンサの基本構造
コンデンサは、2つの導体(プレート)とその間に挟まれた絶縁体(誘電体)から構成されます。プレートに電圧をかけると、電荷が蓄えられます。誘電体の種類やプレートの面積、間隔によって、コンデンサの容量が決まります。
コンデンサの種類
- セラミックコンデンサ: 小型で高周波特性に優れています。電子機器や通信機器に広く使用されます。誘電体にセラミックを使っているのが特徴です。層数が1層の単板型と層数が複数の積層型がある。また、どちらかの端子が+、反対側が-という極性がないので、コンデンサを実装したときの向きを気にしなくてもよい。
- 電解コンデンサ: 大容量で低周波特性に優れています。電源回路やオーディオ機器に使用されます。誘電体に電解質を用いているのが特徴で、電解質には液状電解質や個体電解質の2種類があります。液状電解質の電解コンデンサを使う場合は使用温度によってコンデンサ内部の液体が沸騰して固体になったり、凝固して固体になったりするので、静電容量が低下することに気を付けましょう。また、一般的には陽極側に酸化皮膜が施され、陰極側には表面処理がされないため、極性があります。
- フィルムコンデンサ: 安定した特性を持ち、長寿命です。高精度な回路やフィルタ回路に使用されます。誘電体にプラスチックフィルムを用いているのが特徴です。極性はないので、コンデンサ実装時に向きを気にしなくて問題ありません。
コンデンサの用途
- 電源回路の平滑化: 電源のリプル電圧を低減し、安定した電圧を供給します。
- 信号のフィルタリング: 不要な高周波成分を除去し、信号の品質を向上させます。
- タイミング回路: 時間定数を設定し、タイミング制御を行います。
コンデンサの選び方
コンデンサを選ぶ際には、以下のポイントを考慮する必要があります。
- 容量: 必要な電荷量に応じて選びます。後述のDCバイアス特性によって容量が減ることがあるので注意しましょう。
- 耐圧: 使用する電圧に対して十分な耐圧を持つものを選びます。
- 温度特性: 使用環境の温度に対応できるものを選びます。特に電解コンデンサは温度によって電解質が凍結、気化することによる容量低下に注意しましょう。
- DCバイアス特性: コンデンサに直流電圧を印加した際に静電容量が変化する特性のことです。特にセラミックコンデンサでは、この特性が顕著に現れます。高誘電率系のセラミックコンデンサは、直流電圧が印加されると静電容量が減少することがあります
- 機械的ストレス: セラミックコンデンサは硬くて脆いため、基板の曲げや衝撃によってクラックが生じやすいです。基板設計時には、機械的ストレスを最小限に抑える工夫が必要です。しかし、基板の制約上、機械的ストレスを低減出来ない場合もあります。その場合は樹脂電極品のセラミックコンデンサを使うことで樹脂部分が、機械的ストレスを吸収できます。また、電解コンデンサは半田付け面積が狭く、背が高いので振動なので半田付け部が剥がれる可能性があります。その場合は振動しにくい場所に電解コンデンサを移動させたり、低背の部品に変更することで対策しましょう。
- 音泣き: 高周波で使用する場合、セラミックコンデンサは音鳴き(マイクロフォニクス)を発生することがあります。電圧が印加されると誘電体が伸縮します。誘電体の伸縮で基板のたわみが発生して音が鳴るというカラクリになっています。対策方法としては、基板の固定方法や周囲の部品配置に注意することで、音鳴きを抑えることができます。
まとめ
コンデンサは、電気回路において非常に重要な役割を果たす部品です。用途や特性に応じて適切なコンデンサを選ぶことで、回路の性能を最大限に引き出すことができます。次回、電子工作をする際には、ぜひコンデンサの選び方にも注目してみてください。
コメント